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住宅の一部を改修した、7坪の小さなワインバー、noie。

趣味でワインソムリエの資格をもつクライアント家族から、自宅の一部を改修し、週末営業の店舗とするための設計を依頼された。店舗名のnoieは、家族経営であること、地域住民のもう一つの家のような存在でありたい、という想いから名付けられた。計画床たった7坪という限られたスペースの中で親密さと広さをどう感じられるかが課題である。

我々は、空間の大部分を占める厨房カウンターを中心に据え、お客さんが厨房を囲む席配置とすることで自然と会話が生まれるような距離感を考えた。さらにグループ利用も想定し、奥には天井高2000mmのラウンジスペースを用意した。

最大限の席数を確保した上で通路幅を考慮し、カウンターやラウンジテーブル、コンディメント台など家具の角部を隅切りすることにした。隅切りによる多角形のカウンターでは、自然と体が傾き、中心にあるペンダントライトを皆で囲む一体感が生まれている。

また、既存天井は高さ2400mmと住宅サイズであったが、艶有りのシルバー天井とすることで直下の梁や光を反射させ、高さ方向への奥行き感の増幅を図ると同時に空間に動きを与えた。柱や梁に塗られたグレーブルーの配色は、マンセル色相環のうち、ワインを連想させるレッドやパープル、グリーン、オレンジではない色を用いることにより、ワインバーというジャンルに囚われないオープンなお店になることを目指した。

エントランスはスチール造作によって住宅の一部ながら独立した店舗の印象をもたせるためにフレーミングし、敷地境界からのわずかなスペースにも居場所となる空間を設えている。

施工は地元の工務店が担当し、サインは近所のグラフィックデザイナーによるもの。ドアハンドルに使われている革は隣の革工房から譲り受けた。(村越 勇人)

概要

竣工2024年1月
設計期間2023年7月〜2023年9月
施工期間2023年11月〜2024年1月
所在地東京都台東区
用途飲食店
延床面積22.86㎡
種別内装

体制

クライアントnoie
設計HAGISO(宮崎 晃吉、村越 勇人)
グラフィックデザインALLOY(山崎 勇人)
施工ゆくい堂(丸野 信次郎・田所 次朗)
写真堀越 圭晋 / エスエス、村越 勇人 / HAGISO

メディア

TECTURE
TECTURE MAG プロジェクト特集
ArchDaily
architecturephoto
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Designverse

PEOPLE

携わる人たち

村越 勇人

HAGISO | 設計士

ワインを飲みながらの打合せにリアリティがあって、とても良かった。僕の行きつけのお店になりました。

宮崎 晃吉

HAGISO | 代表取締役

平面的に小さくても天井に反射性のある塗装を施したことで垂直に奥行きのある空間に。

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