多様な過ごし方を受け入れる食堂
札幌のオフィス内装設計。不動産会社を営む株式会社インテリックス札幌支店の市内でのオフィス移転計画として当初求められたのは、フリーアドレスの導入と、硬くないオフィス空間、という2点。加えて、オフィスの必要な要素として、無人受付・大きさの異なる3つのミーティングルーム・15人がフリーアドレスで働くことが出来、スタッフ数人の増員にも対応可能なワークスペースが求められました。外部からの人の流れを考えると、受付とミーティングルームは自然と入り口側となり、その他の空間の中にワークスペースのレイアウトを行いました。
現地を初めて見た際、入り口から見える西面開口の景色が美しい場所だと感じ、細長い区画を形状を活かしたリニアに伸びる遠景までの視線を意識した計画とすることを考えました。入り口側の受付からミーティングルームまで廊下でつなぎ、ワークスペースにシームレスに繋がるレイアウトとすることで、景色へと視線を誘導し、抜けを作っています。また、間仕切り壁の振れ止めを兼ねた門型を、受付/廊下/ワークスペースの境界に作ることで、外部の方が立ち入れる領域に自然と制限がかかるよう、レイヤーを作りました。
ワークスペースも障壁なく視線の抜けを生むように、目線より低い高さの家具を、スタッフの動線の余剰空間を反転させた形で配置しました。平面形状にバリエーションをもたせ、用途や活動に合わせて高さを変化させることで、働き方の多様さを生むアプローチをしています。
もともとの内装の仕様を尊重しつつ、費用の無駄が出ないように最低限の間仕切りと制作家具で構成した空間に、無機質になりがちなオフィスの雰囲気を払拭するような毛足の長いオレンジのカーペットや深緑の壁、真鍮の金物、数種類の糸を用いたファブリックなどの、質感と色をもった素材をディテールに落とし込むことで、景色への視線の抜けとともに、動きのあるオフィス空間となりました。
概要
竣工 | 2020年11月 |
設計期間 | 2020年7月〜2020年9月 |
施工期間 | 2020年9月〜2020年11月 |
所在地 | 北海道札幌市中央区 |
用途 | オフィス |
延床面積 | 134.97㎡ |
種別 | 内装 |
体制
クライアント | インテリックス(河野 邦彦) |
設計 | HAGI STUDIO(宮崎 晃吉・児林幸輔・小林 大陸) |
サイン | HAGI STUDIO(児林幸輔) |
施工 | ハウスプロジェクト |
写真 | 佐々木 育弥 |
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