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asatteのクレープ | 建築について

施設名

asatteのクレープ

JR西日暮里駅前に計画されたクレープ屋。

店舗のある西日暮里スクランブルは、都市開発により数年後に解体予定の建物であり、期間限定での出店が決まった。

このクレープ屋は2022年、谷中に開業したasatteという店舗の分館でもあり、asatteは食の一歩先の未来を目指して、日々メニューの開発や新たな食の可能性を探究している。期間限定であることと、asatte本館の文脈をどう引き継ぐかがプロジェクトの焦点となった。

初期費用を抑えて建具以外の施工をDIYで行うため、内装の解体を極力抑え、既存に上書きするように各要素を足していった。基本的な素材は構造用合板やラワン合板に塗装を施し、ローコストながらも空間に多様さを与えていく。中央のベンチは倉庫に余っていた合板の端材を10cm角にカットし、セメント目地を埋めることでベニヤタイルという新しい製品を生み出した。さらに、クレープ工房を囲うカウンター天板は既存のシナ合板にベンガラ色のPタイルを増貼りすることで耐水性の向上と本館のカラーリングの継承を試みた。コーナーの外観は全面ガラス張りとし、アイレベルのみに造作を設えることで、人通りの多い立地に対して応えている。

期間限定という課題が、asatteらしいストックの利活用やあり合わせの素材の創意工夫を引き出したのである。こうした小さな開発の一つ一つがこれからの街の発展に繋がっていったら嬉しい。(村越勇人)

概要

竣工2023年11月
設計期間2023年10月〜2023年11月
施工期間2023年11月
所在地東京都荒川区西日暮里
用途店舗
延床面積29.59㎡
種別内装

体制

クライアント自社店舗
設計HAGISO(宮崎 晃吉、村越 勇人)
ロゴデザイン田中 裕亮
グラフィックデザインHAGISO(末吉 祐太)
施工(家具+サイン)HAGISO (村越 勇人、佐藤 江里、北川 瑠奈、岡本 結子、前芝 優也、末吉 祐太、顧 彬彬、宮崎 晃吉、田坂 創一、小泉 和久、木下 央、浦山 今日子、柳 スルキ)
施工(建具)坪井建築事務所
写真Yikin Hyo 

メディア

TECTURE

PEOPLE

携わる人たち

宮崎 晃吉

HAGISO | 代表取締役

自社運営の店舗のため極限までローコスト。改装前のカレー店の残置物をうまくつかって仕上げてくれました。

村越 勇人

HAGISO | 設計士

降って湧いたようなプロジェクトで時間も予算もない中、即興でアイデアを練って、3日間で施工したプロジェクト。ベニヤタイルのセメント目地の材料が途中でなくなり、閉店間際のホームセンターに駆け込んだのが懐かしい思い出です。

佐藤 江里

HAGISO | asatte店長/パティシエ

谷中asatteの隠れた人気メニューであるクレープをメインにお店を作りたい!と妄想が膨らみました。駅前という立地の気軽さもあるので、空いた時間にほっとひと息つけるような場所になれたら嬉しいです。

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