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前橋市郊外、元総社町に計画中の整形外科クリニック。古墳時代からの歴史と高速道路や宅地開発など現代の利用とが重なる地域に、公園のように地域にひらかれたクリニックの建設が進んでいます。
日常のリハビリからスポーツ医療まで視野に入れた整形外科クリニックは、単に傷病を診察・処方するだけでなく健康な日常に連続していくための機能と空間を備えている必要があります。そこに院長の地域の子どもたちにも親しまれる空間を提供したいという思いが重なり、クリニックでありながら地域と地続きの公園のようなクリニックが計画されました。









群馬県内には1万3千基以上の古代の古墳の跡が残されており、前橋台地は約24,000年前の浅間山噴火によって泥流堆積物と被覆するローム層(水成)が幾重にも重なり成り立っている。また敷地周辺のエリアには上州独自の季節風である「からっ風」から家屋を守る巨大な生け垣「樫ぐね」をもつ中世から続く集落も多く点在する。本敷地も古代の遺跡が数多く出土する地域で、歴史文化資源の包蔵地に指定されている。
一方で現在に至るまで、利根川や広瀬川を中心に畑地として利用されてきた土地はやがて現在進行中の区画整理事業を機に前橋の郊外として今もなお多くの住宅が建設され、高速道路が横切っている。本敷地はまさに現代と中世と古代がせめぎ合う土地である。これらの敷地的特徴から、古代の基壇と、中世の屋敷林と、現代の高速道路のもつ直線性をハイブリッドした要素による建築構成とした。
構造計画
地上2階建ての診療所で、二つ連なるヴォールト屋根が特徴である。診察室や検査室といった諸室が配置される1階は建築的に壁が多く、吹き抜けに面して1,2階に配置されるリハビリ室は開放的な空間になっている。壁が多く、建築的にも基壇として扱う1階を壁式鉄筋コンクリート造として計画し、基壇の上に載るヴォールト屋根は半円形に曲げ加工したH形鋼を@2m程度で並列配置している。2階桁行方向の耐震性確保のために、ヴォールト屋根面に耐震要素を配置するのではなく、2階リハビリスペースと院長室の間に厚さ400mmのRC壁を1階から立ち上げて水平荷重を負担させている。
設備計画
用途が医療施設ということもあり、機能・衛生・アメニティ・操作・保守・省エネをバランスよく配慮した計画とした。構造との絡みでは、居室に見えてくる梁に対して途中途中に現れる吹き抜けにより建物内を横断する空調のダクトルートの制約とスリーブ貫通とともに計画を図った。コスト面では、汎用機器を多用することで抑制するだけでなく、高い意匠性に配慮しつつも、意匠的に重要な空間の優先順位を確認し、予算に追従できるようメリハリのある設備計画を実現した。
| 竣工 | 2026年6月予定 |
| 設計期間 | 2023年12月~2025年7月 |
| 施工期間 | 2025年8月~2026年6月(予定) |
| 所在地 | 群馬県前橋市元総社町 |
| 用途 | 診療所 |
| 構造 | RC造+一部鉄骨造 |
| 規模 | 地上2階 |
| 敷地面積 | 1037.90㎡ |
| 建築面積 | 540.22㎡ |
| 延床面積 | 668.11㎡ |
| 種別 | 新築 |
携わる人たち
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