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釆 奈菜子

企画

1996年大阪府吹田市生まれ。近郊の住宅地で太陽の塔を眺めながら育つ。

高校2年生の頃、珍しいものみたさから京都市立芸大のオープンキャンパスに行く。「オリジナルのオノマトペをノートに収集する」という奇想天外な基礎課題に感銘を受け、一浪を経て美術科彫刻専攻に入学。個性豊かな友人や教授の鋭い批評に刺激を受けながら充実した美大ライフを過ごす。

大学3年生になった頃、美術作品を作り続ける切実な動機が見当たらず卒業後の進路に悩む。当時唯一興味を持てた職業が農業だったことから、広島県の牧場で住み込みの職業研修を受けることに。(牧場研修の初夜、闇に鳴り響く発情したロバの声を聴きながら、どうしてひとりでこんな所まで来てしまったのだろうかと不思議に思う。)

研修先の牧場は豊栄町という過疎化の進む農村地にあり、社長は地元産業の存続のため地域おこし活動にも熱心に取り組まれていた。毎晩食卓で社長の熱弁を聴くうち自身も熱に浮かされ、乳搾りの傍ら商工会議所での打ち合わせや地域マルシェの準備に積極的に参加。事業者が一体となって地域を盛り上げる熱量、そして何より彼らの活き活きとした姿に心打たれ、卒業後は地域おこし協力隊になることを検討。

一度京都に帰って冷静になり、地域のために活かせる経験値が自分に足りていないこと、地方では美術に触れられる機会が少ないことを思って断念。

数ヶ月後、京都駅周辺地域を取材していたドキュメンタリー映画作家に偶然出会い、彼の映画に出演することに。
取材を受ける中で、牧場の社長のような魅力的な人を深掘りできる仕事は面白そうだなーと思ったことからドキュメンタリーの制作実績があるテレビ番組制作会社に就職。就職に伴い上京。人間のドキュメンタリーを作るつもりで制作会社に入社したものの、全国のご当地おむすびを紹介する番組のADに配属される。

おむすび専門店や地方自治体におむすびエピソードを聞きとる傍ら、新番組の企画書を複数提案。

1年経っても企画書は一向に通らず、自分のニッチな興味とテレビが求める企画との間にズレを感じるように。あと数年経験を積んでから美術の世界に戻ることを検討する。社長面談の際そんな考えをついうっかり正直に話したところクビを告げられ、焦る。

海外アパレルの内装施工会社に再就職したが仕事に面白さを見出せず悶々としていた所、建築家の彼がHAGISO企画職の募集を見つけてくれる。「今ここにあるものの見方を変える」という理念が美術の面白さに通じ、まちづくりの仕事もやらせてもらえるとのことで願ってもない仕事だったため応募、就職。
ようやく自分の興味と仕事とが一致した喜びを感じながら、日々勉強させてもらっています。