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桜縁荘とは

台東区・上野桜木、言問通りから1本入った静かな街かどに佇む1920年(大正9)建造の石場建て木造住宅です。庭の桜、座敷をL字に囲む心地よい縁側などが人々を惹きつけ、たくさんの縁を結びつけてきた愛らしい建物。持ち主の更新に伴い解体の危機に危ぶまれたものの、たいとう歴史都市研究会をはじめとする保存の呼びかけもあり、建物の文化的な価値に共感された新たなオーナーさんに奇跡的に出会い存続することとなりました。2024年12月に登録有形文化財にも認定された貴重な建物です。

改修プロジェクト

現在、HAGISOでは建物の保存改修計画とともに、地域・過去・未来と繋がる活用計画も進めています。
限界耐力計算による構造補強と断熱改修を行い、次の100年へ安心して引き継げる建物とするほか、既存の材料や環境的条件を再利用し、文化財活用の可能性を高める改修を計画しています。また、引渡し後の使い方のご相談、改修中の見学・参加型企画など、より広く桜縁荘のことを知っていただく方を増やしながらプロジェクトを進めるお手伝いをしています。

※見学会や参加型企画の内容は改修工事のスケジュールに合わせて順次公開していきます。

桜縁荘改修直前!見学会

桜縁荘の改修施工をいよいよ今春から計画しています。改修後は地域に開かれた使われ方を模索しており、家主さんだけでなく多くの応援が必要です。
本格的な改修工事が始まる直前であり、桜縁荘の桜が咲き誇るこのタイミングに、プロジェクトのことを知っていただく機会として見学会を開催いたします。

  • 【日時】 2025年4月5日(土) 10時〜17時(時間入替制、要事前予約)
    • 10時の会、11時の会は定員に達しました
  • 【所在地】予約フォームからご確認ください
  • 【参加費】 3,000円(当日現金にてお支払いください)※高校生以下無料
  • (集まった参加費は今後の改修プロジェクトに活用させていただきます。)
  • 【内容】 改修設計に携わる『HAGISO』スタッフ、歴史保存監修の『たいとう歴史都市研究会』さん、施工を担当する『谷根千工房』川原温さん、外構設計を担当する『エービーデザイン』正木覚さん、家主様が参加予定です。(時間によって不在になる方もいらっしゃいます。)
    お越しいただいた方に随時お話をしながら改修プロジェクトや建物についてお話しします。
    また、ささやかですが、桜もお楽しみいただくための飲み物や菓子をご用意いたします。
  • 【注意事項】 改修前の部分解体がなされた状態のため、建物内部への立ち入りはできません。庭と縁側からのご見学となります。

ご縁でつなぐプロジェクト

※改修プロジェクト関係者のご紹介・いただいたメッセージを掲載していきます。

管理人さん

桜縁荘と出会ったのは、2023年の春。桜が散って緑陰が濃くなってきた頃でした。庭に足を踏み入れたとたん、何とも言えない懐かしさと、凛とした空気に魅了され、陰翳礼讃という言葉が似合う家だなあと感銘を受けました。町の人たちに愛され、演奏会、展覧会、お話会なども開催されていた小さな家。花が咲き、木漏れ日が躍る庭には、いつも笑顔があふれていたそうです。100年以上残ってきた家を、次の100年へ。私たちは、この愛らしい場所を未来につなぐリレーの走者なのだと思います。みんなのまちの縁側を、子どもたちの世代に残すため、たまたまバトンを受け取った、不思議なご縁にワクワクしています。次のランナーにバトンを渡すまで、地域のみなさんと力を合わせてまいります。

歴史保存アドバイス:たいとう歴史都市研究会・椎原晶子さん・渡邊尚恵さん

台東区界隈に広がる歴史的な建造物や道、路地、井戸、稲荷、自然環境や生活流儀、文化活動がつくる「歴史的生活文化」を活かしたまちづくりを進めるため、2001年に発足した特定非営利活動法人「たいとう歴史都市研究会」。
活用計画・設計に先立ち、桜縁荘(旧唐木田家)の来歴の調査、歴史的評価のほか、調度品の保管や登録有形文化財の登録に邁進されました。設計フェーズでは歴史意匠アドバイスを現場フェーズまで伴走いただきます。桜縁荘が売りに出されて解体が危ぶまれたとき、最初に情報発信を行ったのがたいとう歴史都市研究会でした。

改修工事施工:谷根千工房・川原温さん

「次の100年へつなぐ改修を」最初の打合せで伺った新オーナーの一言から、今回の改修プロジェクトはただ活用計画をして整備改修するだけでなく、地元のネットワークによる継続的な維持環境をつくること、そのための新たな人脈も編み込む方針が決まりました。
既存状態の基礎調査から施工まで一貫してお願いするのは、「谷根千工房」川原温さん。木造建築の大工として20年近く、高野山や出雲大社など各地の文化財修復や新築工事に携わっておられた他、フランスの日本建築の修復や、ブラジルやロシアでの茶室などの新築、カトマンズの寺の新築、2023年には谷中墓地の入り口の花重の明治初期の登録文化財の改修に参画されました。
1984年10月に創刊した地域雑誌「谷中根津千駄木」によって「谷根千」という名を命名された、この地で知らぬ人はいない森まゆみさんの御子息です。

外構・庭工事計画:エービーデザイン・正木覚さん

桜縁荘の顔になる庭の再生計画は、谷根千のお寺や民家の作庭を数多く手掛けている正木覚さんにお願いしています。初回のお打合せから「不忍池につながる地下水脈を生かした環境づくり」をコンセプトに掲げていただき、桜縁荘と地域との関係性を物理的にも接続できる、プロジェクトにぴったりの庭づくりが始まりました。
日本ガーデナーズ協会の元代表で、代々木公園や校庭の緑化なども手掛けられる、土中環境改善の第一人者です。床下の通風、屋根を流れる雨水などの建築的条件を積極的に活用するほか、解体資材なども環境改善に活用いただき、「敷地からなるべくゴミを出さない」形で建物と一体になった環境づくりをご一緒させていただいています。

地域の皆さんからの声

※順に掲載していきます

概要

竣工改修中
設計期間2024年5月〜2025年4月
施工期間2025年4月〜
所在地東京都台東区
用途住宅
構造伝統木造(石場建て)
規模地上2階 
延床面積約100㎡
種別改修

体制

クライアント個人
設計HAGISO (宮崎晃吉、久保田啓斗)
構造設計川端構造計画
外構計画エービーデザイン
歴史保存たいとう歴史都市研究会(椎原晶子、渡邊尚恵)
施工谷根千工房(川原温)

PEOPLE

携わる人たち

宮崎 晃吉

代表取締役

建築の改修と歴史の継承と地域との関係性を同時に進めるプロジェクトです。

久保田 啓斗

アーキテクト

素晴らしい家屋はもちろん、家主さんの凄まじい巻込み力のおかげで、計画段階から様々なご縁に恵まれたプロジェクトです!

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