KLASS-つくる
近年ますます注目が高まっている金継ぎ(きんつぎ)。
日本古来の器の修理方法のひとつです。
一度は割れたり欠けたりしてしまった器が、その傷跡さえも魅力にして、美しくよみがえることで人気です。
今回は谷根千を中心にこわれもの修理を行う、土居さんよる「金継ぎ」のワークショップです。
専門家に頼むのもいいですが、毎日使っているお気に入りの器のほころびを、ご自分で直されてみませんか?
金継ぎの方法にはいくつかあり、
・古来どおり、漆を主体に成形から仕上げまで行うもの
・成形には現代の接着剤類も使用し、最終的な表面の仕上げを漆で行うもの
などがあります。
このワークショップでは、「食に安全、使用できる強度」を念頭に置き、比較的手軽に行える後者の方法で、器の修理を行います。
日本古来の知恵や工夫、美意識の一端に、気軽にアクセスしていただけると幸いです。
場所 | エキラボ niri |
対象 | 高校生以上~ |
定員 | 1〜5名 ※5名以上の団体の方はご相談ください。 |
料金 | ¥6,000-(材料費、税込) 当ワークショップでは、基本的に銀・錫・漆での仕上げとなります。 【 金仕上げをご希望の方 】別途材料費 ¥1,500 (純金消粉0.1g) 金が高値のため、金でのお直しをご希望の場合のみ、ご自分でご用意いただくか、こちらでご用意したものをご購入いただいております。 → 当日現金支払となります。 |
ご予約はこちら | https://kintsugiklass230406.peatix.com/ |
持ち物 | ① 直したい物(2個まで) ▶︎ 土もの、陶磁器、ガラス器、木工漆製品など。食器のほか、置物なども可 直すものの状況により、即日の修理完了が難しい場合もあります。 ※ ページ下部に【修理実例】がございます。 破損状態や修理時間の例を挙げていますので、ご参考にしてください。 【 直しやすいものの例 】 ・器のふちに2、3mm程度の小さい欠けが数カ所ある ・マグカップやお皿に細いひびが数本走ってしまっている ・パーツが3つまでの割れもの ・首が取れたワイングラス ・注ぎ口が欠けたきゅうす 【 もう少し時間がかかる、複数回になる可能性がある例 】 ・パーツが多い割れもの (少しがんばっていただく必要があるかも) ・つぼやきゅうす、ポットなど、口がせまいものの本体 (内側の修理に時間がかかることがあります) ・パーツがない箇所が大きい (欠損箇所は作成可能。成形には時間がかかる可能性があります) ・大きかったり複雑だったりする何か (何かわかりませんがまずご相談に乗ります) ご不安な場合は、メールでご相談いただけます。(要写真、サイズを明記してください) ▶︎ Mail:klass@hagiso.com ※ 器は十分に洗浄し、乾いた状態でご持参下さい。(漂白は必要ありません。) ② 修理したものが入る、タッパーなどの密閉容器 ▶︎ 漆を固める際と、持ち帰りに使用します。 ・漆を固める際は密閉する必要がありますので、蓋も必ずご持参ください。 ・持ち帰り時は漆が固まっていないため、修理箇所が他のものに触れると漆が付着してしまいます。修理箇所が損なわれるだけでなく、漆が人に付着するとかぶれを起こす危険がございますので、安定して器が置けるサイズの容器や箱をご用意ください。(写真参照) ・直すもののサイズにより密閉容器の準備が難しい場合は、持ち帰りできる箱の用意だけで構いません。教室で大きめの衣装ケースを用意しています。 ③ カッター(写真参照) ▶︎ パテや漆を削る際に使います。 ・取り回しのよい写真のサイズのものがおすすめです。100円均一のもので十分ですので、刃も新しいものをご用意ください。 ④ 作業用手袋(写真参照) ▶︎ カッター等を使う際に、手が滑ったり痛くならなくするために使用します。 ・荷物運搬用などの、軍手にラバーがついたようなもの。手先が動かしやすいようにあまり厚手でないものが最適です。(写真参照。防刃でなくてよい) 参考リンク:https://www.monotaro.com/g/01289992/ ※ 漆使用時の作業用手袋は、こちらで用意しております。 ⑤ 漆や粉が付いてもいい服/エプロン(腕カバー、割烹着など任意) ・漆や顔料などの粉が付着することがあります。 ⑥ 下記は必要に応じご持参下さい。 ・メガネ、老眼鏡、ルーペなど ・手元を照らす卓上ライトなど(会場にコンセントの電源あり) ▶︎ 長時間、手元の細かい作業をいたします。 ご愛用のものなどがあれば、ぜひご用意ください。 定員 1〜5名 ※5名以上の団体の方はご相談ください。 料金 ¥6,000-(材料費、税込) 当ワークショップでは、基本的に銀・錫・漆での仕上げとなります。 【 金仕上げをご希望の方 】別途材料費 ¥1,500 (純金消粉0.1g) 金が高値のため、金でのお直しをご希望の場合のみ、ご自分でご用意いただくか、こちらでご用意したものをご購入いただいております。 → 当日現金支払となります。 |
申し込み締切日 | 3日前まで 【金の使用申し込み】10日前まで(用意のため) |
修理実例
ケース①:銀粉仕上げ
状態:ひび・割れ
器の大きさ:直径約15cm
使用したもの:瞬間接着剤、エポキシパテ、漆、銀
先生の作業時間:約3時間
先生からのコメント:扇状の部分が割れて全部で3つのパーツに分かれており、底に向かってひびが入っています。ひびを止めて割れを接着し、細かい剥落部分を埋め、銀粉で仕上げました。この写真は直してからしばらく使用したものです。銀は変色し、黒っぽくなって来ています。変色しないほうが好みの場合は、錫などで。(当日ご相談いただけます)
ケース②:色漆での仕上げ
状態:割れと欠け
器の大きさ:直径約12cm
使用したもの:エポキシパテ、パテ、弁柄漆
先生の作業時間:約3時間
先生からのコメント:①と似たような感じですが、3つに割れ、赤い部分は欠損していました。欠けた部分はパテで作成し、補っています。弁柄という赤い顔料を混ぜた赤い漆で仕上げています。割れ跡が非常にきれいだったので、傷を覆う漆の線もとても細く仕上げることができました。
ケース③:漆のみでの仕上げ
状態:ひび大きめ
器の大きさ:直径約12cm
使用したもの:瞬間接着剤、漆
先生の作業時間:約1時間(+何回か)
先生からのコメント:えぐれるように大きなひびが入っていました。ひびに接着剤を流して止めたあと、えぐれた部分の肉付けは本当はパテで作成してもよかったのですが、何回か漆を塗ってそれだけで仕上げました。漆は最低一日置きに塗り重ねる必要があるので、教室一回で同じことはできませんが、時間や回数をかけることができればこのような方法もあります。
【漆について】
漆を使用しますので、直接触れるとかぶれることがあります。
生漆よりも比較的かぶれる成分が弱い精製漆(朱合漆等)を主に使用しますが、あらかじめご留意ください。
漆作業用の手袋、応急処置は用意がございます。
十分に注意して作業していただきますが、漆への感度は個人差があるため、万が一かぶれが起きた場合は、速やかに病院を受診されてください。
※ 漆風塗料、合成漆などは基本的に使用していませんが、食器以外の修理の場合はご相談いただけます。
【修理後について】
修理後は、漆を硬化させ、その後十分に落ち着かせる必要があります。
漆器をお使いになってかぶれた方はいらっしゃらないと思いますが、それは漆が十分に落ち着いているためです。
かぶれ等の問題なく使用できる状態になるまでに、メーカーより概ね3ヶ月置くように指示が出ています。
修理したものを即日使用することはできませんので、ご注意ください。
・使用に耐えうる強度を持つことを念頭に置いて修理いたしますが、修理箇所が再度破損する可能性はございます。
また、漆や金属粉等の表面仕上げは、どうしても使用に従い摩耗、経年劣化いたします。あらかじめご了承ください。
・修理箇所は、激落ちくんなどのメラミンスポンジや金だわし、食洗機での洗浄はできません。
→ 硬いものや鋭利なものでこすったり引っ掻いたりすると、金属粉が取れ、漆に傷が付きます。
・電子レンジの使用は出来ません。
→ 金属粉はスパークし、漆は過乾燥などで割れる、剥落する可能性があります。
<講師プロフィール>
土居 沙弥加
1982年 愛媛県宇和島市生まれ
2004年 多摩美術大学 美術学部絵画学科日本画専攻卒業
2010年頃より 奈良骨董修理室:山中俊彦先生に師事(山中俊彦 著作:「金継ぎ一年生」h
2018年頃から 奈良の五風舎にて有志による「金継ぎ修理の巧み展」共同開催 など
他、個人請負にて茶道道具、骨董、生活雑器など修理実績多数。
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