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ゲシュタルトクライス – 導かれる身体/越境する平面 –

2015/07/07 – 07/26
@HAGI ART

「私がいるこの場所で私が見ていることになるのか。
それとも私が見ているあそこに私がいることになるのか。」
ヴィクトール・フォン・ヴァイツゼッカー著『ゲシュタルトクライス』
生理学者であるヴィクトール・フォン・ヴァイツゼッカーは知覚と運動は回転する一枚の扉の様に交互に現出し合う円環構造をもつと説き、こうした生命と環界との関わりを“ゲシュタルトクライス”と呼んだ。
視覚は単なる情報の受け皿ではなく、身体や視線の能動的な運動の中でより躍動的に経験されるものに思われる。そして私たちの視覚は身体に依拠しながらも、対象を悠々と渡り歩くのではないだろうか。
向かいのビルからの眺めを思い浮かべることは単なる想像なのだろうか?静寂した森の木の陰に気配を感じる様に、手にしたスマートフォンのその先がサイバースペースと呼ばれる様に、私たちは現前しない空間へ繋がる手綱を掴んでいる。そのまなざしは光学的事象をすり抜けていくことだろう。
本展は3名の作家によってHAGISO内にいわば視線の遊戯場をつくりだし、「見る」という行為の身体性について考察を試みる。

【作家プロフィール】

丸倫徳(まるみちのり)
1978 年生まれ、神奈川県藤沢市出身のアーティスト、ペインター。ペインティングを中心に壁画、ライブペインティングパフォーマンス、フォトコラージュ、サインペイントなどの表現メディアを用いる。 漫画と旅をこよなく愛し、現実と旅の間で時間と距離を重ねてはズラす活動をしている。最近では移動式映画館等を行なっているCinema Caravan のメンバーとしても活動し旅とともに足跡を残す制作活動を行っている。
www.michinorimaru.net

林香苗武(はやしかなえたけし)
1991年長野県生まれ。2011年より平面表現における速度を主題とし、制作活動を続けている。 現在は速度主義を掲げ「“あらゆる摩擦や抵抗を無くした”機械を創造する」を理念とし、制作を行う。2015年2月20日に速度主義宣言を発表。近年の主な個展に「大木と巨大キツツキ」(2015/CLEAR EDITION & GALLERY)、「透明高速」(2014/Space Wunderkammer)、グループ展では「不安すぎるライン」(2015/タンバリンギャラリー)などがある。
http://hieido.com/index.html

小林健太(こばやしけんた)
1992年神奈川県生まれ。東京で同世代のアーティストらと共同生活をしながら、そこで撮影した写真を編集しブログに掲載している。巨大なZINEをコラボレーションしながら制作するMMGGZZNNプロジェクト主宰。近年の主な展覧会に「Photo London(2015/Somerset House)、「hyper-materiality on photo」(2015/G/P gallery shinonome)、「TOKYO FRONTLINE PHOTO SELECTION #1」(2014/AXIS GALLERY)がある。
http://kentacobayashi.com/

キュレーター|青木彬(あおきあきら)
1989年生まれ。東京都出身。首都大学東京インダストリアルアートコースにて芸術学を専攻。在学中に「ひののんフィクション」「川俣正TokyoInProgress」などのアートプロジェクトの企画・運営に携わる。メインストリーム/オルタナティブを問わず、横断的な表現活動の支援を目指す。これまでの企画に「うえむら個展 オルタナティブ日暮里」(2014)、「『未来へ号』で行く清里現代美術館バスツアー!」(2014)、「特別講座 美術館は静かにどこへ向かうのか」(2015)がある。

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