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asatte|このまちのジェラートvol.2

谷中で暮らすあの人と一緒にジェラートをつくったら、どんなものができるだろう?
そんな思いから、asatteが町の人と一緒にフレーバーをつくる取組み、「このまちのジェラート」がはじまりました。

第二弾は、大正二年に創業、谷中せんべいのゆうこさんとコラボレーション。
ゆうこさんにとっての、「谷中」や「ジェラート」についての想いをお聞きしました。



― やなかせんべいさんとこのまちの出会いについてお聞かせください。

お店は今年で創業111年を迎えます。本郷ではじめてから谷中にうつりましたが、それも100年以上前のことですね。今のお店は建物の老朽化で、5年ほど前に修繕しています。
わたしは20年くらい前に嫁に来たのですが、町の人は本当によくしてくれます。谷中ぎんざの方々をはじめ、子供が小さい頃から可愛がってくれて、この町が育ててくれたみたいな感じですよね。


― ゆうこさんは、谷中にきたときの印象はどうでした?

実はむかし人形劇団の仕事をしていて、まだはじめたばかりの頃に谷中小学校や初音幼稚園でお芝居をしたことがあったんです。主人と知り合って再び谷中にやってきたときに、あれ?わたしこの町知ってる、と思ったのを覚えています。
20年暮らしてみて、やっぱりいい町ですよね。今は観光地化してきて、町の様子もだいぶ変わってきましたが、お盆やお彼岸など、季節ごとにみなさん必ず顔をみせてくれるんです。父も母も主人も、昔からそういうつながりはとても大切にしていて。谷中せんべいが変わらずにあるから、挨拶しにきてくれる。そういうのってすごくあたたかいですよね。もちろん観光で来る方たちもいい人ばかりです。でも、私たちが変わらないからこそ、昔から来てくれる人も安心して楽しんでくれているような気がします。向かいの佃煮の中野屋さんとセットでですね。





― 人生の中でのジェラートやアイスとの思い出はありますか?

わたしは長野の田舎生まれで、ちょっと足をのばして観光地にいくと、ソフトクリームがすっごく美味しいという印象が小さいころからありました。特に清里で食べたソフトクリームが一番美味しかった。子供だから、食べながら洋服とか汚したりして、母から「え〜」と言われたことも思い出しますね。
自分に子供ができてからも、子供たちがアイスが大好きなのでよく食べています。見た目とか色で、普段食べない味にチャレンジしたがるんですけど、結局残してそれを私が食べて、その味に自分がはまってしまうこともよくありました。ピスタチオなんかはその一つです。まだ小さい頃は子供が残したものを食べてばかりいたけれど、今は子供と食べるときも自分が好きなものを選べるんです。

― 子供から大人まで、いろんな楽しみ方がありますよね。



― 今回、どんなフレーバーを作りたいですか?

この話をいただいてから主人といろいろ話していて…。夏場とか、友人に「アイスをおせんべいで挟んでみたら?」なんて冗談で言われることも今までありました。お醤油とお米はバニラアイスに合いそうだし、みたらし団子みたいになるかな、なんて想像していました。

― 美味しそうです!お醤油はどんなものを使っているのですか?

お醤油はキッコーマンの濃い口と、おせんべいによく味がつくように片栗粉を使っていて、おせんべいはそのままお醤油につけて作っています。それを111年継ぎ足して使っているので、どんどんコクがでてくるんですよ。樽も水だけだと漏れてしまうんですが、お醤油だと粘度があるのか漏れたりしないんですよね。

― 111年も継ぎ足したお醤油!それはぜひ使ってみたいです。おせんべいをジェラートに混ぜて、サクサクの食感にできるかも試してみたいですね。

― 最後に、このまちのどこでジェラートを食べたいですか?
わたしは、家で夜一人でお酒片手に誰にも邪魔されずに食べたいです(笑)。
昔は夕焼けだんだんのザクロの上のマンションに住んでいたんです。昼間はとても賑やかですが、夜はほんと静かで。そんな静かな谷中の夜に、仕事を全部終わらせてゆっくり食べたいな。そういうことをしたいな、って思っているのにいつも疲れて寝てしまうんですよね。あ!今日こそ夜にゆっくり食べようかな。お酒は何にしよう…。やっぱり日本酒かな(笑)。

ゆうこさん、ありがとうございました!
インタビューした内容をもとに開発をスタートし、使用するせんべいの種類や量などを検討。
谷中せんべいさんとの試食を経てコラボジェラートが完成しました!



『ジェラせん』

お醤油を使った醤油ミルクジェラートは、キャラメルやみたらしのように、香ばしくコクのある味わい。一枚一枚丁寧に焼いたおせんべいは、昔ながらのしっかりとした歯応えでお米の甘さが広がります。醤油、胡麻、ざらめの異なる風味と食感をお楽しみください。


インタビューの内容は、店頭にてフリーペーパーも配布しています。
ぜひジェラートをお召し上がりながらお楽しみください!

企画協力やなかせんべい
〒110-0001 東京都台東区谷中7丁目18-18
ジェラート開発HAGISO(佐藤江理
編集HAGISO(顧 彬彬
グラフィックデザイン、写真HAGISO(末吉祐太
提供期間2024年10月~5月頃

PEOPLE

携わる人たち

佐藤 江里

asatte | 店長/パティシエ

顧 彬彬

取締役

末吉 祐太

グラフィックデザイナー

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